Kunioの世界の切手紹介と海外写真集

Kunioの世界の切手紹介と海外写真集 美術切手|キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)、その他 ・・ その他(外典、奇跡 ほか)編 外典(がいてん、Apocrypha)とは、ユダヤ教・キリスト教関係の文書の中で、聖書の正典に加えられなかった文書のこと。

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美術切手|キリスト教絵画を見る為の旧約聖書と新約聖書 その他(外典、奇跡 ほか) 編

 美術切手|キリスト教絵画を見るために知っておくべき旧約聖書と新約聖書(福音書ほか)について。 その他(外典、奇跡 ほか) 編。 外典(がいてん、Apocrypha)とは、ユダヤ教・キリスト教関係の文書の中で、聖書の正典に加えられなかった文書のこと。 「Apocrypha(アポクリファ)」とは、[隠されたもの]に由来する言葉です。 旧約外典としては、第三エズラ書 、第四エズラ書 、トビト記、ユディト記 、エステル記補遺 、ソロモンの知恵 、シラ書(集会の書、ベン・シラの知恵) 、バルク書 、エレミヤの手紙 、ダニエル書補遺 (スザンナ 、ベルと竜 、アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌 )、マナセの祈り 、マカバイ記1 、マカバイ記2 、マカバイ記3 、マカバイ記4 、詩篇151 、ヨブ記補遺 がそれにあたります。 バチカンが認定している奇跡の代表的例が、ファチマ&ルルドの聖母出現です。 ルルドの奇跡を体験した少女の一人で、ベルナデッタで彼女はその後、修道院に入り病死します。 他には、聖母マリア様の御出現が関係し、1531年12月のメキシコ、グァドルーペ、1846年9月のフランス、ラ・サレッド、1917年5月のポルトガル、フェチマの御出現が、認定されています。
※『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』の目次・内容
Art Stamp | Old Testament for the Christian's paintings (Genesis, Exodus) and the New Testament (Gospel More)
 

 

『ユディト記』、『ダビデ(サムエル記)』、 『スザンナ (ダニエル書)』、『トビトとアンナ』、『ルードの泉(ルルドの奇跡)』、『バテシバ(ダビデの妻、ソロモンの母)』、『聖母の被昇天』、『生神女就寝』、『エステルの化粧』、『聖母戴冠』、『士師記、サムソン(Samson)』


8.その他(外典、奇跡 ほか)

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『ユディト記』 旧約聖書外典

『ユディト記』は、ユディトという女性の信仰を描く物語。『ユディト記』は教派によって扱いに違いがあり、ユダヤ教とプロテスタントでは外典として扱い、カトリック教会と正教会では旧約聖書に加えている。 
物語は以下のようなものである。アッシリア王ネブカドネツァルが自らに対して協力的でなかった諸地域に討伐のための軍隊を差し向ける。そこでユダヤにはホロフェルネスが派遣され、彼はベトリアという町を囲む。水源をたたれたベトリアでは降伏を決意するが、美しい女性ユディトが一計を案じる。彼女は敵のホロフェルネスの陣営に忍び込み、すきをみてホロフェルネスの首をとってきたのである。こうして司令官を失ったアッシリアの軍勢は敗走した。

クリムトが描く ユディト I(ユーディット I、オーストリア)

クリムト 絵画切手

しかし、ベトリアという町が架空のものであることや、ネブカドネツァルがアッシリアの王でないことなどから、架空の物語であると考えられている。

ボッティチェッリ 『ホロフェルネスの遺骸の発見』、『ユディットの帰還』 二連画 ウフィツィ美術館資料より 拡大○

クラナッハ 『ユディト(ある婦人の肖像)』(エルミタージュ美術館)

ボッティチェッリ 『ホロフェルネスの遺骸の発見』ウフィツィ美術館資料より ボッティチェッリ 『ユディットの帰還』 ウフィツィ美術館資料より 『ある婦人の肖像』(エルミタージュ美術館) クラナッハ クラナーハ

『サムエル記』旧約聖書

『サムエル記』は旧約聖書におさめられた古代ユダヤの歴史書の1つ。
旧約聖書由来のマシャリムには、ナタンがダビデに語る『小羊のたとえ話』(サムエル記下12:1-9: 2 Samuel 12:1-9)や、『テコアの女』のたとえ話(サムエル記下14:1-13: 2 Samuel 14:1-13)などがある。
ナタン (預言者) - サムエル記に登場するダビデ王およびソロモン王の時代の預言者。

 『ダビデ(サムエル記)』

ダビデ( ラテン語: David )は古代イスラエルの王(在位:前1000年 - 前961年頃)。ダヴィドとも。羊飼いから身をおこして初代のイスラエル王サウルに仕え、サウルがペリシテ人と戦って戦死したのち王位を継承するとペリシテ人を撃破して要害の地イェルサレムに都を置いて民族の統一を成し遂げた。旧約聖書の『サムエル記』、『列王記』に登場し、『詩篇』の作者とされている。とりわけ、ペリシテ人の戦士ゴリアテを倒したことはダビデの名を高めた。人生の終わりに当たってダビデは、『主エホバはわが岩、わが城、わたしを救う者、わが神、わが岩。わたしは彼に寄り頼む。わが盾、わが救いの角、わが高きやぐら、わが避け所、わが救い主。あなたはわたしを暴虐から救われる。』とうたって、神を賛美した。

ピエトロ・ダ・コルトーナ(Pietro da Cortona) (拡大○)
『巨人ゴリアテを倒すダビデ』

ダビデ像
(ミケランジェロ、ウルグアイ)

ダビデ像
(ミケランジェロ、モナコ)

ピエトロ・ダ・コルトーナ 『巨人ゴリアテを倒すダヴィデ』 ダビデ像(モナコ) 絵画切手 ミケランジェロ

レンブラント・ファン・レイン作 『バテシバ(バト・シェバ) (Bathsheba)』ルーヴル美術館

レンブラント・ファン・レイン作 『バテシバ』ルーヴル美術館

■『バテシバ』の正式な画題は“ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴”といい、聖書の物語(旧約聖書・歴代誌・上・第3章5節では「Bathsheba、shua (Bath-shua)」)を題材にした作品です。古代イスラエルのダビデ王は水浴をする人妻バテシバを一目見て恋に落ち、夫である将軍ウリヤを戦地に送り戦死させ、自らの妻にしてしまいます。神がそのことを善しとせず、ダビデ王の子どもの命を次つぎと奪います。悔い改めたダビデ王は退位し、バテシバとの第2子ソロモン(Salomon)に王位を譲るという話です。 絵はダビデ王からの手紙を手にして哀しみに沈むバテシバを描いています。等身大に描かれたバテシバは画面の多くを占め、非常に迫力のある存在感で観るものを圧倒します。 暗い部屋の中で白く浮びあがった健康な若い女性が、少しうつむき加減で視線を下にして、手紙によってもたらされた複雑な心境を思い悩んでいるようすがよく表されています。

『バテシバの入浴』 
ルーベンス(ハンガリー,1977年)

ダビデがバト・シェバに言い寄る物語はサムエル記・下・第11章で言及。マタイによる福音書第1章6節で彼女はイエスの先祖として間接的に触れられている。
■ソロモン(Salomon, Suleyman, 紀元前1035年頃 - 紀元前925年頃)は、父はダビデ。母はバト・シェバ。エジプトに臣下の礼をとり、ファラオの娘を降嫁されることで安全保障を確立し、古代イスラエルの最盛期を築いた。旧約聖書の『列王記』に登場する。

ハールレム 『バテシバの入浴(Bathsheba in her Bath)』

ルーベンス(ハンガリー,1977年) コルネリス・ファン・ハールレム (Cornelis Cornelisz. van Haarlem, オランダ, 1562-1638)

『ダニエル書補遺』

『ダニエル書補遺』とは『ダニエル書』のギリシア語訳で、マソラ本文になく、ユダヤ教および一部キリスト教教派から正典と認められていない部分のこと、及びそれをまとめた書物の名称である。『ダニエル書への付加』(ダニエルしょへのふか)とも呼ばれる。

 『スザンナ (ダニエル書)』




この物語では正当なヘブライ人の人妻スザンナ(ユリの意、スーサンナとも)が、性欲を持て余したのぞき屋によって、いわれのない告発をされる。人払いをして庭で水浴する美しいスザンナ(ヘブライ語ではショシャーナ)を2人の好色な長老たちが密かに見つめていた。彼女が家へ戻ろうとした時、長老たちは彼女の前に立ちはだかり、『我々と関係しなければ、お前が庭で青年と密会していたと告発する』と言って脅迫した。
スザンナはこれを拒絶したために脅迫通り逮捕され、ダニエルという青年が異を唱えた時には混乱の内に死罪に処されようとしていた。ダニエルが2人の長老から別々に詳細を尋ねると、スザンナがその下で恋人に逢っていたと主張する木の名前が一致しなかった。1人目は彼らが乳香樹([:en:Pistacia lentiscus])の下にいたと言い、2人目はカシの木の下にいたと主張した。乳香樹(カンラン科の低木)とカシ(ブナ科の高木)では大きさに著しい違いがあり、長老たちが虚偽の証言をしている事はその場の誰の目から見ても明白であった。不正な告発者は処刑され、美徳が勝利を収めた。

ブリューゲル
『老人たちと一緒のスザンナ』

『スザンナと長老たち (Susanna e i vecchioni)』 ティントレット
 ルーヴル美術館 『胸を露わにする女性の肖像
(Presentazione di Gesu al tempio)』 プラド美術館

ルネサンス ユーゴスラビア 老人たちと一緒のスザンナ ブリューゲル 『スザンナと長老たち (Susanna e i vecchioni)』 ティントレット

『スザンナと長老たち』
アッローリ (マニャン美術館)

ルーベンス
『スザンヌと長老たち』

ルーベンス『スザンヌ』

『トビト記』旧約聖書外典

レンブラント 『トビトとアンナ(Anna Accused by Tobit of Stealing the Kid)』 
オランダ アムステルダム国立美術館

 『トビトとアンナ
(Anna Accused by Tobit of Stealing the Kid)』

『トビトとアンナ(Anna Accused by Tobit of Stealing the Kid)』は、旧約聖書外典(第二正典とも呼ばれている)≪トビト記≫第2章11〜14節に記される、裕福で信仰の厚かったトビトの目に燕の糞が入り盲目となり、財産も失ったことも重なったことで猜疑心が心に巣食う中、仕事から帰宅した妻アンナが手間賃の変わりに受け取った山羊の子を、盗んだもののではないかと疑いをかけるも妻アンナがそれを否定し盲目になって独善的で猜疑心に苛まれると咎められ、トビトが祈りを捧げ悔悛する姿≪山羊の子を盗んだかどで妻アンナを疑うトビト≫を主題に描かれた作品。

トビトとアンナ(Anna Accused by Tobit of Stealing the Kid) レンブラント

 『大天使ラファエルとトビアス』

大天使ラファエルの言葉に耳を傾けるトビアスは、旧約聖書外典『トビト書』の中に登場する、敬虔なユダヤ人トビトの息子です。一方、ラファエルは若者の庇護者、そして巡礼者など旅人の庇護者です。そんなわけで、美術作品の中では、若いトビアスの旅の伴侶として描かれることの多い天使なのです。そんなラファエルを信頼しきった様子のトビアスに向かって、ラファエルの右手がまっすぐに差し伸べられています。
切手はバチカン、1948年

『大天使ラファエルとトビアス』 バチカン トビト記

 紀元前8世紀のアッシリア捕囚時代、ニネヴェにトビトという信仰篤いユダヤ人が住んでいました。トビトは妻アンナと息子トビアスとともに暮らしていましたが、晩年、失明してしまいます。自らの死の近いことを悟ったトビトは、人に貸してあった金を返してもらうために、メディアの地まで旅をするようにと息子トビアスに指示を与えます。そして、その旅には、神によって遣わされた大天使ラファエルが同行するのです。ティグリス川まで来た時、トビアスが水浴びをしようとすると、突然巨大な魚が跳び出し、彼を食べようとしました。しかし、トビアスは大天使ラファエルの指示によって、魚を捕えて、その内臓をとり出します。、心臓、肝臓、胆嚢を別にします。大天使の言葉によると、心臓と肝臓を燃やすと悪霊を祓う効果があり、胆嚢はトビトの目を癒す効果があるというのです。ラファエルの言葉通り、心臓と肝臓はトビアスの花嫁となる女性から悪魔を祓うことに役立ち、そして花嫁を連れて帰郷してからは、胆嚢によってトビトの目が回復することになるのです。

『エステル記』

『エステル記』(Megillat Esther)ペルシャ王の后となったユダヤ人女性エステルの知恵と活躍を描くこの書は、その主人公的役割を演ずるエステルの名をもって『エステル記』と呼ばれる。聖書中、女性の名が書名として用いられているのは、『ルツ記』と『エステル記』のみである。ユダヤ人モルデカイの養女エステルは、ペルシャ王クセルクセスの后に選ばれる。そのころ、権力者ハマンはモルデカイに対する個人的な恨みからユダヤ人を皆殺しにすべく陰謀をめぐらせていた。エステルの機転によってユダヤ人は救われ、逆にハマンが死刑となる。これが物語のあらすじである。

『エステルの化粧(ルーヴル美術館)』 
ロマン派の女流画家テオドール・シャセリオー

 『エステルの化粧』

アラベスク風の曲線で全身が覆われた女性像の一人である。

旧約聖書「エステル記」のヒロイン、エステルが侍女にかしづかれて、化粧している。多くの娘たちの中から、ペルシャ王クセルクセスの王妃に選ばれたユダヤの娘エステルは、王の寵愛と美貌を武器に、ユダヤ人を憎む宰相ハマンのユダヤ人絶滅(ホロコースト)計画を阻止する。
『エステル記』は、バビロニアに流刑となったユダヤ人の若い娘エステルが、捕らわれの身のユダヤ人を虐殺から救い出し、ペルシアの王妃となる物語を語っている。しかし、このテーマは、専制君主を手なずける美しい女奴隷についてのオリエントの物語をも思い起こさせる。

 『聖母戴冠』

『聖母戴冠』は、礼拝の対象、あるいは教会の擬人像として描かれた。聖母マリアに冠を授けるのはキリスト、神、聖三位一体などである。しばしば、天使たちの聖歌隊に取り囲まれている。キリストが手に書物を持っていることもある。そこには「来たれ、わが選ばれし御方よ。われ汝をわが玉座につかせん」と書かれている。
また、聖母マリアが死去(聖母被昇天)し、イエス・キリストに「天の女王」として戴冠されます。特にルネサンス・イタリアで好まれた絵画の題材です。聖書では、イエスが生まれる少し前から死んで復活する生涯と、その後の使徒(イエスの弟子)の言行録しか記述はないので、聖母マリアの被昇天や戴冠という直接的記述は一切ありません。民間伝承のたぐいから来ています。カトリックでは教義ですが正教会では教義にはなっていません。
外典「黄金伝説」によると、天に戻ったマリアは、天の女王として冠を授けられ、玉座を与えられました。

フィリッポ・リッピ 『聖母戴冠』 (1441-44年頃、ウフィツィ美術館所蔵) 
ウフィツィ美術館資料より (拡大○)

フィリッポ・リッピ 聖母戴冠(1441-44年頃、ウフィツィ美術館所蔵)

ラファエロ 『聖母の戴冠 (オッディの祭壇画)』 1502-03
バチカン美術館 (拡大○)

ヤコポ・ディ・チョーネ
『聖母の戴冠』
 (拡大○)

ラファエロ 『聖母の戴冠 (オッディの祭壇画)』1503 バチカン美術館 ヤコポ・ディ・チョーネ『聖母の戴冠』

『士師記』(ししき)

『士師記』(ししき)は、ヨシュアの死後、サムエルの登場に至るまでのイスラエル人の歴史が含まれており、他民族の侵略を受けたイスラエルの民を、「士師」と呼ばれる歴代の英雄達が救済する内容である。ヨシュアは旧約聖書の民数記やヨシュア記に登場するユダヤ人の指導者。聖書の記述どおりならばカナンを侵略しカナーン人の大量虐殺を行った末、カナンを征服してユダヤ人の領土とした人物。

 サムソン(Samson)

■サムソン(Samson)は旧約聖書の士師記13章〜16章に登場する人物。古代イスラエルの士師の一人で、怪力の持ち主として有名。名前には「太陽の(人)」、「(神に)仕えるもの」という意味があると考えられる。サムソンは二十年間、士師としてイスラエルを裁いた。その後、サムソンはソレクの谷に住むデリラという女性を愛するようになった。デリラの密告によってサムソンは頭をそられて力を失い、ペリシテ人の手に落ちた。彼は目をえぐり出されてガザの牢で粉をひかされるようになった。

旧約聖書の士師記に登場するサムソンの話 イスラエル

ミケーレ・ロッカ 『旧約聖書』のSamsonとSamsonの髪を切って裏切った愛人デリラ(delilah)

『旧約聖書』(「士師(しし)記」16章)の登場人物。デリラ(delilah)は、サムソンが愛したペリシテ人の女。ペリシテ人の領主たちから銀1100枚を得る条件で、サムソンの怪力の秘密を探る。サムソンは三度うそをつくが、デリラの執拗(しつよう)さに負け、毛髪を剃(そ)り落とせば力が去るという秘密を漏らしてしまう。デリラは彼を裏切り、ペリシテ人に引き渡した。

『旧約聖書』のSamsonとSamsonの髪を切って裏切った愛人delilah

ペリシテ人は集まって神ダゴンに感謝し、サムソンを引き出して見世物にしていた。しかしサムソンは神に祈って力を取り戻し、つながれていた二本の柱を倒して建物を倒壊させ、多くのペリシテ人を道連れにして死んだ。このとき道連れにしたペリシテ人はそれまでサムソンが殺した人数よりも多かったという。

現代の奇跡
 『ルードの泉(ルルドの奇跡)』
 と『聖ベルナデット』

ルード(Lourdes、ルルド) は、フランスとスペインの国境になっているピレネー山脈のふもと、フランスの南西部のオート=ピレネー県の人口15000人ほどの小さな町。『ルードの泉』で知られ、カトリック教会の巡礼地ともなっている。1858年2月11日、村の14歳の少女ベルナデッタ・スビルー(ベルナデットとも)が郊外のマッサビエルの洞窟のそばで薪拾いをしているとき、初めて聖母マリアが出現したといわれている。『無原罪の御宿り』がカトリックの教義として公認されたのは聖母出現の4年前の1854年だが、家が貧しくて学校に通えず、読み書きも満足にできない田舎の少女が知り得るはずもない言葉だったからである。『聖母』はまずベルナデッタに『泉に行って水を飲んで顔を洗いなさい』と言った。近くに水は無かったため、ベルナデッタは近くの川へ行こうとしたが、『聖母』が『洞窟の岩の下の方へ行くように指差した』ところ、泥水が少し湧いてきており、次第にそれは清水になって飲めるようになった。これが『ルードの泉』の始まりである。

フランスのルルドの泉と少女ベルナデッタ・スビルー、ローマ法王  聖地ルルド

フランスのルルドの泉と少女ベルナデッタ・スビルー、ローマ法王

『ルードの泉(ルルドの奇跡)』と『聖ベルナデット』(ルルドの奇跡100年) バチカン 1958年

『ルードの泉(ルルドの奇跡)』と『聖ベルナデット』(ルルドの奇跡100年) バチカン 1958年

ベルナデットは三十五才で病死するまで修道女として過ごしましたが、死後五十年以上経った1933年(昭和八年)の「無原罪の宿り」の祝日に、ローマ法王ピオ十一世により聖女に列せられました。

 『聖母の被昇天』、
 『生神女就寝』

『聖母の被昇天(せいぼのひしょうてん)』とはカトリック用語で正教会には存在しない教理、聖母マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴って天国にあげられたという信仰、あるいはその出来事を記念する祝い日(8月15日)のこと。1950年、当時のローマ教皇ピウス12世によって正式に教義として宣言された。
『聖母の被昇天』がマリアを成人の姿で描くのに対し、『生神女就寝』は、現世での生を終え眠りについたマリアの亡骸の傍にキリストが立ち、幼子の形をしたマリアの魂を抱き取っている姿で描かれる。ただし、就寝の三日後とされる、マリアが使徒たちに天の栄光において現れた場面では、東方教会においてもマリアは成人の姿で表される。

『聖母の被昇天』 ルーベンス
(英領ドミニカ、1978年)

Theotokos Miracle-working Icon 生神女の奇蹟

『聖母被昇天』(英領ドミニカ、1978年) ロココ美術 ルーベンス 絵画 Theotokos Miracle-working Icon

英語で用語が使い分けられている場合、"Dormition Cathedral"は正教会の生神女就寝大聖堂を表す事が多く、"Assumption Cathedral"はカトリック教会の聖母被昇天大聖堂を表す事が多い。
生神女就寝(しょうしんじょしゅうしん、Dormition of the Theotokos) 聖書には対応する記述がなく、伝承に基盤を持つ。その伝承によれば、マリヤはその晩年をエルサレムで、天国に入ることを望みつつ平穏に暮らしていたが、ある日、己の死が数日後に迫ったことを悟り、望みがかなう日が近いことを知って喜び、家を片付け、持ち物を施して、死の訪れを待った。ただ、彼女が子とも友とも慕うイエスの直弟子たち、十二使徒が宣教の旅にいて会えないことが残念に思われた。ところがその日エルサレムにトマスを除くすべての使徒たちが戻ってきたのである。マリヤは喜び、悲しむ使徒たちを慰め、みなに別れを告げて平穏に眠りについた。三日後トマスが到着し、使徒たちとともに墓を訪れたところ、そこに葬られたはずのマリヤの身体はすでになく、天より現れたマリヤが、己が天の生命に遷されたことを告げた。使徒たちは歓喜し、マリヤを賛美した。
Theotokosとは、神の母,(ギリシア正教で)生神女しょうしんじょ(Birth-giver of God):受肉した神の子の母としての聖母マリア(Virgin Mary)の称号.。

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■『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』の目次

■『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』 : [ トップ旧約聖書・『創世記』と三大預言書旧約聖書・『出エジプト記』と女司祭、巫女(女予言者)新約聖書・『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』新約聖書・『ルカによる福音書』、『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの黙示録』 他聖人、聖職者、神学者その他(外典、奇跡 ほか) ] 

■『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』の主な内容

1.旧約聖書・『創世記』と三大預言書:『創世記』は、多くの系図が含まれておりイスラエル周辺部族の縁起等も語られている。

2.旧約聖書・『出エジプト記』と女司祭、巫女:『出エジプト記』(Exodus)は、旧約聖書の二番目の書であり、『創世記』の後を受け、モーセが、虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。

3.新約聖書:紀元1世紀から2世紀にかけてキリスト教徒たちによって書かれた文書で、『旧約聖書』とならぶキリスト教の正典。27の書が含まれるが、それらはイエス・キリストの生涯と言葉(福音と呼ばれる)、初代教会の歴史(『使徒言行録』)、初代教会の指導者たちによって書かれた書簡からなっており『ヨハネの黙示録』が最後におかれている。 『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』、『ルカによる福音書』、『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの黙示録』 他

 3.1 新約聖書・『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』

 3.2 新約聖書・『ルカによる福音書』、『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの黙示録』 他

7.聖人、聖職者、神学者:『ヒエロニムス』、『聖トマス』、『聖ペテロと聖パウロ』、『聖カタリナ』、『聖カシルダ』 他

8.その他(外典、奇跡 ほか):『ユディト記』、『サムエル記』、『ダニエル書補遺』、『トビト記』、『ルードの泉(ルルドの奇跡)』 他

その他美術関係の切手・写真(切手が主体)

美術・工芸切手 [ トップ先史代中世 |ルネサンス ( ア行〜タ行ナ行〜ワ行その他 ) |バロックロココロマン派、新古典とアカデミック絵画写実主義印象派象徴主義、耽美主義、ラファエル前派近代絵画|日本(画家作品) |ポップ(モダン)|故宮(絵画文物) |世界の美術工芸品仏教美術デザインキリスト教絵画の見方美術用語集(備忘録)|浮世絵()|アジアの美術メトロポリタン美術館(切手)|プラハ美術館(切手) 
・写真(Art) メトロポリタン美術館+MET(西洋絵画−2)+MET(日本・アジア)+MET(他美術工芸)アメリカ自然史博物館ボストン美術館+日本・アジアの美術編ウフィツィ美術館とアカデミア美術館バチカン美術館ラファエロの間システィーナ礼拝堂ルーヴル美術館エルミタージュ美術館 旧館エルミタージュ美術館 新館大英博物館ロンドン・ナショナルギャラリー ]

■巨匠の絵画切手 [ ボッティチェッリダ・ヴィンチラファエロミケランジェロデューラーティツィアーノルーベンスベラスケスアングルエル・グレコレンブラントカラヴァッジオフェルメールダイクドラクロワゴヤ|ゴッホ(no.1|no.2)|ルノワールマネとモネセザンヌゴーギャンマチスピカソダリ葛飾北斎安藤広重クリムトシャガールモディリアーニミュシャ ]


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