美術切手|キリスト教絵画を見る為の新約聖書・『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』 編
美術切手|キリスト教絵画を見るために知っておくべき旧約聖書と新約聖書(福音書ほか)について。 新約聖書・『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』 編。 伝統的に『マタイによる福音書』(Evangelium
Secundum Mattheum)が新約聖書の巻頭に収められ、以下『マルコによる福音書』、『ルカによる福音書』、『ヨハネによる福音書』の順になっている。 『マタイによる福音書』は、イエスこそが「モーセと預言者たちによって」予言され、約束されたイスラエルの救い主(キリスト)であると示すことにあり、イエスにおいて旧約聖書の預言が成就していることを示すことであった。イエスはキリスト(救い主)であり、イスラエルの王の資格を持つダビデの末裔として示している。 『マルコによる福音書(マルコによるふくいんしょ、ラテン語:
Evangelium secundum Marcam)』は、単なるイエスの言葉などであって、決して福音書のようなまとまったものでなかったことがわかる。 マタイ、マルコ、ルカの共観福音書のうち、最初に書かれたのが素朴な『マルコによる福音書』であると言う「マルコ優先説」をカール・ラハマンが提出(1835年)して以来、マルコ優先説がプロテスタントの聖書学の主流を占めるようになり、共観福音書の中で最古の重要資料であるという認識がされるようになった。
※『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』の目次・内容。
Art Stamp | Old Testament for the Christian's paintings (Genesis, Exodus)
and the New Testament (Gospel More)
『山上の垂訓』、『オリーブ山の説教』、『マグダラのマリア』、『東方の三博士の礼拝』、『エジプトへの逃避途上の休息』、『慈悲の七つのおこない 』、『貢の銭(Pagamento del tributo)』、『最後の晩餐』、『聖体祭儀(ミサ)』、『聖ペテロへの天国の鍵の授与』、『聖三位一体(Trinity)』、『サロメ』、『レギオン(Legion)』、『荒野の誘惑』、『奇跡の漁』、『幼児虐殺』、『ヨセフとキリスト』 |
3.1 新約聖書・『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』 |
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新約聖書では、よく知られている物では、マリアは、ユリとバラの花と青と赤の服、ペテロは、鍵を持っている、ヨゼフは、羊の服や、十字架を持ってます。 また、イエスは、脇腹に傷がない時は,布教活動中で、傷がある時は、復活後(よみがえり後)です。 ビーナスは、貝や海の近くいたり、いつも天使のキューピットがいたり、酒の神様バッカスは、葡萄の房を頭にかざってます。 イコンなどの宗教画においては、聖人の生涯、職業、使命を表すためにアトリビュートが用いられます。 絵画の内に描かれている女性がオルガンなどの楽器を手にしていればセシリアであろうし、車輪とともに描かれていればアレクサンドリアのカタリナであると見分けることができる。 また、シュロの葉は殉教者(致命者)に共通するアトリビュートである。新約聖書はギリシア語で書かれている(イエスや直弟子はアラム語を話していた)。 |
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福音書 |
福音書 イエスの生涯、死と復活の記録 |
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マタイによる福音書 |
マタイによる福音書 (マタイ書、マタイ伝) 税吏出身の使徒マタイ |
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『マタイによる福音書』は、イエスこそが「モーセと預言者たちによって」予言され、約束されたイスラエルの救い主(キリスト)であると示すことにあり、イエスにおいて旧約聖書の預言が成就していることを示すことであった。イエスはキリスト(救い主)であり、イスラエルの王の資格を持つダビデの末裔として示している。 |
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『山上の垂訓』 |
山上の垂訓(さんじょうのすいくん)とは、新約聖書内マタイによる福音書第五章から七章にある、イエス・キリストが山上で弟子たちと群集に語った教えのこと。山上の説教とも。教えの最も有名な部分は、章頭(マタイによる福音書5章3節から10節まで)の『幸福なるかな』と8回繰り返されるところであり、幸福の説教、真福詞等と呼ばれている。正教会ではこれに5章12節前半にある『幸いなり、〜天には爾等の報い多ければなり。』までを加えて9句の構成とし真福九端(しんぷくきゅうたん)と呼んで、主日の聖体礼儀などに極めて頻繁に歌われる。 |
コジモ・ロッセリ 『山上の垂訓』 システィーナ礼拝堂 |
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コジモ・ロッセリ |
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『オリーブ山の説教』 |
オリーブ山の説教(オリーブやまのせっきょう、英語:Olivet Discourse)はイエス・キリストがオリーブ山で語られた終末的な説教。主にマタイの福音書24章−25章に記述されており、またマルコの福音書13章、ルカの福音書12章、17章、21章にも散らされて保存されている。 |
ボッティチェッリ |
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『マグダラのマリア』 |
マグダラのマリアは新約聖書中福音書に登場するイエスに従った女性。 マリヤ・マグダレナとも転写される。正教会・カトリック教会・聖公会で聖人。 |
エル・グレコ 『聖家族とマグダラのマリア』(ブルガリア) |
ルーベンス『悔悛するマグダラのマリアと姉マルタ』(実物 ) |
ティツィアーノ 『懺悔するマグダラのマリア』 (拡大○) |
^『悔悛するマグダラのマリア』 カラヴァッジオ |
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そして、復活したイエスに最初に立ち会った一人とされる。『マタイによる福音書』などによれば、彼女は復活の訪れを弟子(使徒)たちに告げるため遣わされた。このため彼女は初期キリスト教父たちから『使徒たちへの使徒』 (the Apostle to the Apostles) と呼ばれ、正教会での彼女の称号『亜使徒』はこの事績に由来する。 マグダラのマリアのアトリビュートは、宗教画においてルネサンス以降の宗教画では、聖書の人物によって衣服の色がおおむね定まっており、聖母が青や紺色の衣やマントを着るのに対し、マグダラのマリアは緑色の下衣、朱色のマントを身につける事が多い。多くは豊かな金髪を見せ、高価な油壺を手にする。 四福音書にはマグダラのマリアと特定されていない女性が何人か登場する。その中のベタニアのマリアなどがマグダラのマリアと同一視され、イエスの足に涙を落し、自らの髪で拭い、香油を塗ったとされる。それゆえ図像ではアラバスターの香油壺を手にする姿が代表的。 |
『マグダラのマリア』 |
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『聖メアリー・マグダレン |
「聖マグダラのマリア」 |
『聖メアリー・マグダレンの勉強中の横顔』 マグダラのマリア |
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ダ・ヴィンチ |
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『東方の三博士の礼拝』 |
東方の三博士(とうほうのさんはかせ)は新約聖書に登場し、イエスの誕生時にやってきてこれを拝んだとされる人物。直訳すれば星見すなわち占星術師であるが、マタイ福音書の文脈では、天文学者と推測される。 |
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リバルタ画・『東方の三博士の礼拝』(スペイン、2005年) |
『東方三博士の礼拝』 ハンス・メムリンク(Hans Memling) |
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デューラー『東方三博士の礼拝 (Die Anbetung der Konige)』 拡大○ |
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ウフィツィ美術館 |
未来のユダヤの王イエスの降誕に際し、東方の三博士が星に導かれ幼子キリストの下を訪れ礼拝と黄金、乳香、没薬の3つの贈り物を捧げる場面。100×144cm ウフィツィ美術館とアカデミア美術館 |
■初期のデューラーが手がけた祭壇画の代表的な作品『東方三博士の礼拝』。ウフィツィ美術館が現在所蔵する本作はフリードリヒ賢明公の依頼を受け制作されたもので、背景に描かれた小屋や、円形アーチの建築物によって強調される遠近法を用いた空間処理など、1494年から1495年までのヴェネツィア留学の成果が随所に表れている。キリスト教の祭壇画において最もポピュラーな主題のひとつ。 |
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『東方三博士の礼拝』 ハンス・メムリンク(Hans Memling) |
ヨルダン発行(クリスマス、東方の三博士の礼拝) |
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Adoration of the Magi |
ラクダに乗る東方三博士 |
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ジョット 『東方の三博士』 |
ギルランダイオ 『最初の使徒たちのお召し』 システィーナ 拡大 |
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ルーベンス |
『東方三博士の礼拝』 フィリッポ・リッピとフラ・アンジェリコ |
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『エジプトへの逃避途上 |
『エジプトへの逃避途上の休息』は、メシアとされる新たな王が、ベツレヘムに誕生するという予言から、古代パレスティナの狂王ヘロデは幼児を虐殺させるために兵士を放った。この絵は、神と天使に導かれ、父の聖ヨセフ、母の聖マリアとともに、幼子イエスのエジプト逃避途上の一場面です。 ヨセフには、ヘロデ王が死ぬまで、エジプトにとどまるよう夢のお告げがありました。マタイによる福音書にのみ記されている話です。 |
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『エジプトへの逃避途上の休息』(1594-1596年頃 ローマ、ドーリア・パンフィーリ美術館) |
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この作品は、カラヴァッジョ(カラバッジオ)が描いていますが、堕天使のような羽をつけた天使が描かれています。弦楽器を弾く後姿は、ルシファーの羽の形とそっくりな黒い羽。そして白い可愛らしい天使と同じ羽が、隠れるように描かれています。 |
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ジョット 『エジプトへ』 |
デューラー『The Flight into Egypt』≪エジプトへの逃避≫ |
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『慈悲の七つのおこない 』 |
『慈悲の七つのおこない 』カラヴァッジオ(ガーナ,1997年) |
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『7つの慈悲』とは、『 飢えたる者、渇いた者、旅人、裸の人、病者、獄中の人、死者の各々に対する慈悲 』を指します。 |
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■カラヴァッジョの全作品中、最も複雑な構図で描かれた傑作『慈悲の七つのおこない』。殺人罪によりナポリへと逃亡したカラヴァッジョが同地でピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルディア同信会の依頼により制作された本作は≪マタイ福音書≫に由来する≪慈悲の七つのおこない≫を主題に描かれたもので、各場面をひとつの場面の中に配するという極めて斬新な構図が取られている。各場面は複雑に交錯しながらも、カラヴァッジョの自然主義的写実性で描写された誇張されない事象は明確に表現されており、わずか数ヶ月の滞在中に、圧倒的な知性と創造力によって描かれた本作は、バッティスチッロやフセペ・デ・リベーラなどナポリ派の画家たちに多大な影響を与えた。また『慈悲の七つのおこない』は、右部の≪死者の埋葬≫と≪囚人の慰問、食物の施与≫、中央の≪衣服の施与≫、左部の≪病気の治癒≫、≪巡礼者の歓待≫、≪飲物の施与≫と構成されている。 |
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『貢の銭』 |
『貢の銭(Pagamento del tributo、1424-27頃)』(ブランカッチ礼拝堂壁画) マサッチオ 拡大○ |
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■『貢の銭』(みつぎのぜに(伊: Pagamento del tributo))は、ルネサンス期のイタリア人画家マサッチオが描いたフレスコ画。 描かれているモチーフは『マタイによる福音書』に書かれている聖ペトロに関するもので、神殿への税を支払うことが出来ないペトロに対し、キリストが魚の口から銀貨を見つけるように説いたエピソード。 |
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『聖ペテロへの天国の鍵 |
ペルジーノ 『ペテロへの天国の鍵の授与』 システィーナ礼拝堂 |
■『聖ペテロへの天国の鍵の授与』は、主イエスより十二使徒の長として選ばれた聖ペテロへ、天国の門を開く鍵を与える場面≪聖ペテロへの天国の鍵の授与≫を主題に描かれた壁画。主イエスの代理人として認められ祝福される聖ペテロの感動的な場面の背景には、コンクラーヴェ(教皇選挙会議)がおこなわれる現実の場所が描かれており、教皇シクストゥス四世の聖性と威厳を表現することに成功するとともに、遠近法を用いた広角的な眺望の表現は、それまでにない新しい手法として高い評価を得た。 |
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ペルジーノ |
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『聖三位一体』(Trinity) |
『2つの聖三位一体(Trinity)』 ムリーリョ (NZ、1965年) |
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■三位一体(さんみいったい)とは、キリスト教の語で父と子と聖霊が一体(唯一の神)であるとする教理。キリスト教が受け入れる中心的教義・教理。「父なる神」と「ロゴスである子なるイエス・キリスト」と「聖霊」の3つは、皆尊さが等しく、神が固有の三つの位格(自立存在,
羅 persona)でありながら、実体(羅 substantia)は同一であるという意味である。聖霊について、正教会に属する日本ハリストス正教会では「聖霊」ではなく、「聖神(せいしん)」を訳語として採用している。 |
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『荒野の誘惑』 |
『荒野の誘惑』(あらののゆうわく)はキリスト教の聖書正典である新約聖書に書かれているエピソードの1つ。キリスト教教理において重要な役割を果たしており、キリスト教文化圏の芸術作品の中で繰り返し用いられるモチーフでもある。 洗礼者ヨハネから洗礼を受けた後、イエスは霊によって荒れ野に送り出され、そこに40日間留まり、悪魔(サタン)の誘惑を受けた。マルコによる福音書(1:12,13)、マタイによる福音書(4:1-11)、ルカによる福音書(4:1-13)の福音書に記述がある。 |
『キリストの誘惑と癩病者の浄め』 システィーナ礼拝堂 拡大○ |
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『悪魔の誘惑(マタイ伝とルカ伝)』 40日の断食を終え、空腹を感じていたイエスの前に悪魔が現れ、神の子であるならば、石をパンに変えるよう命じたらどうだ、と問う。それに対して、イエスは「人はパンにのみ生きるのではない。エホバの口から出るすべてのことばによって生きなければならないと書いてある」(申命記
8:3)と答える。 |
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『幼児虐殺』 |
『幼児虐殺』は新約聖書の『マタイによる福音書』2章16節〜18節にあらわれるエピソードで、新しい王(イエス・キリストのこと)がベツレヘム(ベトレヘム)に生まれたと聞いて怯えたユダヤの支配者ヘロデ大王がベツレヘムで2歳以下の男児を全て殺害させたとされる出来事。マタイ福音書の記述は事実ではなく、イエスの生涯を旧約聖書の預言の実現として描こうとするマタイの意図によって創作されたエピソードであるとする説もある。 |
『幼児虐殺』 Trebechovice Museum of Bethlehems |
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たとえばルーベンスは一度ならず『幼児虐殺』の絵を描いているが、その中の一枚は2002年、ケネス・トムソンによって4950万ポンドで落札され、史上もっとも高額で取引された絵の一つであるとされている。 |
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『ヨセフとキリスト』 |
『大工の聖ヨセフ』 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール |
新約聖書に記される聖母マリアと結婚した神の子イエスの義父≪大工の聖ヨセフ≫を主題に描かれた作品で、対抗宗教改革時にフランシスコ会を中心におこった聖ヨセフ信仰によって大変尊重された主題のひとつとして、当時は広く流布していた。画面全体を包み込む蝋燭の光によって本場面を観る者に、より静謐で神秘的な印象を与える本作では、聖ヨセフは後の受難者イエスが背負いゴルゴダの丘を歩むことになる十字架の象徴とされる厚い角材に、両手持ちの錐(キリ)を用い穴を開ける大工作業をおこないながらも、その視線はイエスの方を向いている。その傍らでは幼子イエスが蝋燭を手に、義父聖ヨセフの仕事を晧々と照らしており、互いの深い精神的な繋がりが表現されている。 |
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『パンと魚の奇跡』 |
ティントレット|パンと魚の奇跡 The Miracle of the Loaves and Fishes, ca. 1545-50 |
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イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。5000人を満腹にさせたという奇跡(マタイによる福音書14章19節より) |
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マルコによる福音書 |
マルコによる福音書 (マルコ書、マルコ伝) ペトロとパウロの弟子であったマルコ |
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『マルコによる福音書(マルコによるふくいんしょ、ラテン語: Evangelium secundum Marcam)』は、単なるイエスの言葉などであって、決して福音書のようなまとまったものでなかったことがわかる。6:14-29にヘロディアの娘(サロメ)と洗礼者ヨハネに関する話の最も長いバージョンを含む。マタイ、マルコ、ルカの共観福音書のうち、最初に書かれたのが素朴な『マルコによる福音書』であると言う「マルコ優先説」をカール・ラハマンが提出(1835年)して以来、マルコ優先説がプロテスタントの聖書学の主流を占めるようになり、共観福音書の中で最古の重要資料であるという認識がされるようになった。 ヴェネツィアの守護聖人のマルコおよび『マルコの福音書』はしばしばライオンのシンボルであらわされる。 |
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『最後の晩餐』 |
最後の晩餐(さいごのばんさん)は、キリスト教の新約聖書に記述されているキリストの事跡の一つ。イエス・キリストが処刑される前夜、十二使徒と共に摂った夕食、またその夕食の席で起こったことをいう。 正教会では最後の晩餐とは呼ばず、機密制定の晩餐(きみつせいていのばんさん)と呼ぶ。『晩餐』はイエスの復活後にも弟子達とともに行われていたほか、現在に至るまで聖体礼儀として教会に継承されている。この夕食の場で、使徒の一人がイエスを裏切ることが告げられ(イスカリオテのユダの裏切りの予告)、また、使徒達が自分の苦難に際して逃げ散る事を予告する(マルコによる福音書14章27節)。弟子達はこれを聞いて動揺する。ペトロは鶏が鳴く前に三度キリストを否むと告げられ、これを強く否定する。 |
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共観福音書ではイエスが賛美の祈りののちパンと葡萄酒をそれぞれ『自分の体』『自分の血』として弟子たちに与え、『ルカによる福音書』は『これをわたしの記念として行え』と命じたと記す。共観福音書では、この夕食はユダヤ教の行事『過越の食事』であるが、『ヨハネによる福音書』ではその前日の出来事とされる。そのため東西教会で、このときのパンが(過越の)種入れぬパン(無発酵パン)であったか、(過越前の)種入りパン(発酵パン)であったかについて、議論がある。この議論は現代における聖餐式に、どのようなパンを用いるかに影響する。 |
Vicente Juan Masipの『最後の晩餐』 |
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ダ・ヴィンチ 『最後の晩餐』(グレナダ) 一点透視図法 ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院 |
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『最後の晩餐』があるイタリア・ミラノの『サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院』は世界遺産に登録されている。 |
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『聖体祭儀(ミサ)』 |
キリスト教はもともとユダヤ教の中から生まれたため、聖体祭儀(ミサ)もユダヤ教のシナゴーグで行われていた礼拝の形式(聖書の朗読と説教、祈り)に、キリスト教徒がイエス・キリストの最後の晩餐を記念して行っていた聖体の典礼と会食が組み合わされて出来たものである。 |
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『サロメ』 |
サロメ(Salome 、ヘブライ語:Shlomit)は、1世紀頃の古代パレスチナに実在したとされる女性。義理の父は古代パレスチナの領主ヘロデ・アンティパス、実母はその妃ヘロディア。古代イスラエルの著述家フラウィウス・ヨセフスが著した『ユダヤ古代誌』や、『新約聖書』の『福音書』などに伝わる。イエスに洗礼を授けた洗礼者ヨハネの首を求めた人物として、キリスト教世界では古くから名が知られ、その異常性などから多くの芸術作品のモティーフとなってきた。 |
クラナッハ(父)『洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ』 ブダペスト国立西洋美術館蔵(拡大○) |
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『レギオン』 (Legion) |
レギオン(Legion) :マルコによる福音書第五章に登場する悪霊。この悪霊に取りつかれた男は墓場に住み、裸で歩き回って昼も夜も大声で叫びながら自分の体を石で切りつけ、鎖や足かせも引きちぎるほどの力を持っていた。その男から出た後、二千頭ほどの豚の群れに取りつき、豚は突進して断崖から落ち、溺れ死んでしまった。 |
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『奇跡の漁』 |
洗礼者ヨハネの弟子からイエスの弟子になった漁師のアンデレは、兄・漁師仲間とガリラヤ湖で一晩中網を投げたが、一匹の魚も捕れなかった。翌朝、網を片付けているところへイエスが現れた。 「深いところへ漕ぎ出して、漁をしなさい」 イエスを舟に乗せ、言われたとおりにすると、舟が沈むほどの収穫があった。 アンデレの兄シモンと漁師仲間のヤコブ・ヨハネが、アンデレに続きイエスの弟子になった。 |
『奇跡の豊漁(タピスリーの |
『漁師の奇跡の受容』 |
ヴィクトリア・アンド・アルバート |
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■共観福音書(きょうかんふくいんしょ)は、キリスト教の新約聖書の四つの福音書のうち、ヨハネ伝を除くマタイ伝、マルコ伝、ルカ伝のことを指します。この3つには共通する記述が多く、同じような表現もみられ、聖書学の研究の結果、本文を相互に比較し、一覧にした共観表(シノプシス synopsis)が作られたことから共観福音書と呼ぶようになった。 |
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■『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』 : [ トップ|旧約聖書・『創世記』と三大預言書|旧約聖書・『出エジプト記』と女司祭、巫女(女予言者)|新約聖書・『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』|新約聖書・『ルカによる福音書』、『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの黙示録』 他|聖人、聖職者、神学者|その他(外典、奇跡 ほか) ] |
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■『キリスト教絵画を見る為の旧約聖書(創世記、出エジプト記)と新約聖書(福音書ほか)』の主な内容 |
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1.旧約聖書・『創世記』と三大預言書:『創世記』は、多くの系図が含まれておりイスラエル周辺部族の縁起等も語られている。 |
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2.旧約聖書・『出エジプト記』と女司祭、巫女:『出エジプト記』(Exodus)は、旧約聖書の二番目の書であり、『創世記』の後を受け、モーセが、虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。 |
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3.新約聖書:紀元1世紀から2世紀にかけてキリスト教徒たちによって書かれた文書で、『旧約聖書』とならぶキリスト教の正典。27の書が含まれるが、それらはイエス・キリストの生涯と言葉(福音と呼ばれる)、初代教会の歴史(『使徒言行録』)、初代教会の指導者たちによって書かれた書簡からなっており『ヨハネの黙示録』が最後におかれている。 『マタイによる福音書』、『マルコによる福音書』、『ルカによる福音書』、『ヨハネによる福音書』、『ヨハネの黙示録』 他 |
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7.聖人、聖職者、神学者:『ヒエロニムス』、『聖トマス』、『聖ペテロと聖パウロ』、『聖カタリナ』、『聖カシルダ』 他 |
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8.その他(外典、奇跡 ほか):『ユディト記』、『サムエル記』、『ダニエル書補遺』、『トビト記』、『ルードの泉(ルルドの奇跡)』 他 |
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■ヘロデ(Herod、紀元前73年頃 - 紀元前4年)は、共和政ローマ末期からローマ帝国初期にユダヤ地区を統治した王(在位:紀元前37年- 紀元前4年)である。ハスモン朝に代わってヘロデ朝を創設、ローマとの協調関係を構築して統治した。エルサレム神殿の大改築を含む多くの建築物を残した。だが、猜疑心が強く身内を含む多くの人間を殺害した。ヘロデの名を不朽のものとしたのはソロモンを超える規模で行ったエルサレム神殿の大改築であった。神殿はローマ帝国を含む当時の世界でも評判となり、このヘロデの時代にディアスポラのユダヤ人や非ユダヤ教徒までが神殿に参拝しようとエルサレムをさかんに訪れるようになった。キリスト教の教典である新約聖書のマタイによる福音書に、新たな王(救世主)の誕生を恐れたヘロデ大王が二歳以下の幼児を虐殺(幼児虐殺)させたため、イエスと両親がエジプトに避難したという記事がある。 |
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その他美術関係の切手・写真(切手が主体) |
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