名張・万葉の会|藤井寺&羽曳野 アイセルシュラホール |
アイセルシュラホール
アイセルシュラホールとは、大阪府藤井寺市にある考古学・歴史系博物館施設をメインとする生涯学習センターの愛称。館名の「アイセル」は、Activity、Information、Consultation、Exchange、Learningの頭文字を並べたもの、「シュラ」は藤井寺市で出土した古墳時代の巨石運搬用ソリ「修羅」を意味する。 「倭の五王と巨大古墳」をテーマした古墳築造技術の紹介、西墓山古墳や津堂城山古墳の出土品等を展示している。
見るからに大きなランドマーク。 大きさに驚きました。外観は、岡ミサンザイ古墳から出土した舟形埴輪をモチーフとし、まるでノアの箱舟を彷彿とさせる巨大な舟です。 「船形はにわ」と「修羅」をイメージしてデザインしたものとされる。 切手以外の写真はクリックで拡大。
古墳時代をテーマとした展示ゾーンでは、津堂城山古墳出土水鳥形埴輪、西墓山古墳鉄器埋納土壙、土師の里8号墳出土円筒埴輪棺など古市古墳群を語る上で欠かすことのできない実物の考古資料が展示されています。
4世紀ごろの津堂城山古墳の「水鳥形埴輪」(実物) |
■日本最大級かつ最古とされる「水鳥形埴輪」は津堂城山古墳から |
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(参考文献) 船形埴輪は、古墳に葬られた人の社会的な役割と深い関係を暗示しているように思うのです。 一方、水鳥形埴輪には、船形埴輪のような特殊性は見当たりません。唯一の特殊な点は、家形や盾形、あるいはきぬがさ(飾りのついたパラソル)形埴輪に比べると、出土数が極端に少ないことです。しかしこれは、確実な発掘調査の事例を参考にすると、一古墳あたりの使用点数の少なさに原因が求められそうなのです。 つまり、水鳥形埴輪は古墳上で執り行われる葬送の儀式に、欠くべからざる重要な埴輪だったことが想像されてくるのです。 ヤマトタケルの「白鳥伝説」と、城山古墳の水鳥形埴輪をストレートに結びつけることはできませんが、少なくとも、両者は往時の死生観をうかがうことのできる、貴重な資料であることに間違いないと思うのですが。
『広報ふじいでら』第287号 1993年4月号より
名張・万葉の会|藤井寺&羽曳野 アイセルシュラホール |