切手はおもしろい(珍品切手・逸品切手)
「切手はおもしろい」では、保有する切手の中でも、珍しい切手や切手からわかる真実などをご紹介します。世界最古や世界最初の切手、切手発行枚数が少ないなどです。 また、切手の知識では、私も含め中級以下の切手コレクターが、覚えておかなければならないものを紹介します。 最近になって富に増えている変形切手もあります。 ブータンも非常に珍しい切手(レコード切手、プリズム(立体)切手、鉄切手、セルロイド切手、CD切手など)を多数発行しています。 単に見た目だけでなく、トップページにブラックペニーの切手を掲載していますが、マルタ十字(*1)と呼ばれる消印が切手に押されています。 ヴィクトリア女王は当時イングランド国教会の主柱であった。 その因果関係も切手や消印から深遠な歴史的な意味が読み取れる 。切手は未使用ばかりが高額な切手とは限りません。 インフレ時に乱発された未使用の切手は多いが、意外と使用済みは殆ど無く高額なのがドイツの切手です。だから切手は面白い。 一部クリックで拡大。
*1。マルタ十字は、キリスト教の騎士修道会である聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団とも)の象徴とされる。元来は11世紀のイタリアの小共和国であるアマルフィの象徴であった。マルタ十字は4つのV形をした紋章がその底部で結合した形をしており、突き出た8つの角をもつ。この意匠は第1回十字軍の頃からある十字のシンボルに基づいたものである。8つの角は騎士道における8つの美徳を象徴しているとされる。
■国別&面白切手のカテゴリ |
切手はおもしろい(珍品切手・逸品切手) | |||
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1.珍品・逸品切手について私が保有している切手の中でも、珍品・逸品の類があります。その事について、拙い知識や切手ですが一端をご紹介します。 詳細は、画像をクリックして頂きますと、詳細説明画面へジャンプします。 西サモアやチベットの切手などは、余り見かけたことがありません。 |
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1.1 切手の詳細 |
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(1)ブェノスアイレスの切手 |
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アルゼンチンが独立以前にブェノスアイレスで発行した切手です。1858年に発行された「蒸気船」を題材にした1番切手です。1852年、連邦派でロサスの腹心だったフスト・ホセ・デ・ウルキーサが、ブラジル、ウルグアイと同盟を結んでエントレ・リオス州からロサスに対して反旗を翻すと、1852年2月3日ブエノスアイレス郊外のカセーロスの丘(現在は市街地になっている)でロサスはウルキーサを迎え撃つが、ウルキーサ軍に破れるとイギリスに亡命し、ロサスは失脚した。ウルキーサは連邦主義を体制化することを望み、フアン・バウティスタ・アルベルディが起草した1853年憲法を連邦の憲法に制定して同年アルゼンチン連邦の成立を宣言したが、ブエノスアイレス州は連邦派の支配を嫌って離反し、連邦はエントレ・リオス州のパラナに首都を置いた。その後、連邦とブエノスアイレスの戦いが繰り返されたが、1862年11月に州知事のバルトロメ・ミトレがウルキーサをバポンの戦いで破ると、ここにブエノスアイレスが連邦を併合する形で国家統一が実現し、アルゼンチン共和国の成立が宣言された。 |
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(2)西サモアの切手 |
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サモア諸島は、19世紀国が乱れ群雄割拠の時代でした。それにつけ込みヨーパ諸国や米国は、支援をしつつ夫々に思惑から勢力を伸ばしていました。 最終的には東西2つのサモアが出来、東は米国、西はドイツ→英国となりました。 この切手は、分裂前の王国時代の1877年に発行された1番切手です。 凡そ130年が経過していますが、そのままの状態で残っています。 クリックで拡大。 |
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(3)ドイツのインフレ時代の切手 |
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こちらは、使用済みにも関わらず高額の切手をご紹介します。インフレ時代のものです。未使用よりもずっと高額です。 第一次大戦の敗北により「ドイツ帝国」は消滅し、代わってワイマール共和国が成立しました。ヴェルサイユ条約の下、戦勝国の過酷な賠償により経済は疲弊し、1920年からインフレ期を迎えます。1923年には遂に超インフレに見舞われ、市民生活も壊滅状態に陥ります。 それに関連する多くのインフレ切手やカバー類が出現し、インフレのものすごさを伝えています。 |
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(4)チベットの切手 |
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チベットはネパールの北にあり、独立国家であったチベットは、1949年に口火を切った中国の侵略で、戦闘によって人命損失の危機にさらされ、続いてすぐに、共産主義イデオロギーと文化大革命(1967- 1976)に代表されるような計画によって、普遍的な自由さえも失ってしまった。1965年に中国の自治区となりました。 この国は全体で3様・凡そ20種の切手しか発行していません。 これらは、1912年の1番切手と1920年に発行されたものです。 数奇な運命を辿った国で、神秘のベールに包まれていましたが、最近になり、中国の改革開放で少しずつですが、様子が窺えるようになって来ました。今は中国はチベット問題で大きく揺れ動いています。 クリックで拡大。 |
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(5)スペインの切手 |
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Carlist-Stamps と呼ばれているものです。 Nickname given to stamps authorized by Don Carlos of Spain |
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(6)ネパール王国の切手 |
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ヒンズー教に因む文様(王がかぶる帽子と交差した剣)が描かれています。 画面上では非常に見難いとは思います。 厚手と薄手と2種類の切手が発行されています。 ネパールは山国と敬虔なヒンズー教徒の国であり、それを題材した切手が多く発行されています。 ここに掲載したものは、1881年にネパールで発行された1番切手です。 クリックで拡大。 |
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(7)インド藩王国の切手 |
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長く栄えたムガール帝国は、1858年から英国の直轄地となり衰退してゆきます。 所が、その中にあった藩王国(イギリスが植民地統治していた時代のインド(インド帝国)において、内政権を認められていた諸侯の領国)については、内政自治権を認め大きな変化が起こらない様に英国は考えました。 その為、各藩王国では多数の切手が発行されました。 ここにあるのも、その内の一つです。 日本では、その収集家は余り聞いたことが無いだけでなく、資料もありません。 |
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(8)非常に珍しい 色具合を見た試し刷りの切手。(シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト フランス) 1800年代後半発行
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2.切手の知識2−1.世界の切手 |
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(1)世界最初の切手 |
イギリスのローランド・ヒルによって提唱され、イギリスで1840年5月1日に発行された、「ブラックぺニー」です。 当HPにもイギリスの所に掲載しています。英国では着払いの郵便のような事業はあったので、受取人は意図せぬ郵便物には受け取りを拒否したそうです。最初の切手の図柄は当時の英国のヴィクトリア女王の肖像で、5/6に発売(発行)された「黒い背景色に印刷された額面1ペニーの切手」はブラック・ぺニーと呼ばれ、5/7に発売(発行)された「青い背景色に印刷された額面2ペンスの切手」はペンス・ブルーと呼ばれています。 クラシック・書簡 |
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(2)世界最大の切手 |
2004年7月にモンゴルで発行されました。 |
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(3)世界最大の切手コレクター |
イギリス王室です。 |
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(4)世界最初の三角切手 |
19世紀に、当時イギリスの植民地であった喜望峰で発行されました。他の国の切手と区別するために直角二等辺三角形をしていました。 |
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(5)金メダル切手 |
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(6)変形切手 |
世界各所で発行されています。 詳細は こちら です。 |
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(7)オランダ発行の珍品切手(銀箔)
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(9)プリズム切手(立体切手、3D切手、manama発行)王貞治 長島茂夫他 プロ野球選手 |
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(8)スイスのレース編みの切手
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スイス2000年発行 世界初の刺繍切手。Sc.1075a 刺繍はザンクトガレン地方の特産品です。 ※この切手は増刷が出来なかったため品不足を起こし、発行直後から価格が高騰しました。 現在も入手が難しい切手です。 |
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(10)レンティキュラー切手 |
レンティキュラーとは、印刷された画像に立体感を与えることのできる、かまぼこのような形状の凸レンズのことである。見方によって色や絵柄も変化します。 ブータンの3Dも同じ様な原理かも知れません。
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2−2.日本の切手 |
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(1)日本最初の切手 |
明治4年(1972年)4月20日に発行された竜文切手(りゅうもんきって)は、明治政府が初めて発行した切手です。また竜文切手は日本最初の切手でもあります。双竜の図柄が描かれていますが、実はこの切手の原版作成者は、彫刻師・松田敦朝(まつだあつとも)または玄々堂緑山(げんげんどうりょくざん)〈1837-1903〉といい、もとは京都で風景などの銅版画を制作・販売していました。太政官札の製造をきっかけに、明治政府の紙幣や切手の原版彫刻を請け負うようになりました。政府の請負業務を終えたのちは民間で活躍し、銅版画や石版画の作品を多く残しています。 |
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(2)すかしが入った切手 |
現在製造の切手にはすかしは入っていませんが、大正3(1914)年に発行された普通切手には、偽造を防ぐために波線型のすかしが入っています。その後もすかし入りの切手が製造されましたが、印刷の仕上がりが良くないことや、切手の偽造自体があまりないことから、昭和24(1949)年の産業図案切手を最後に、すかし入り切手は姿を消しました。 |
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(3)目打ちなしの切手 |
日本で最初の切手、竜文切手には目打ちがありませんでした。切手を切り離すのに不便であったので、明治5(1872)年の竜銭切手(りゅうせんきって)から、目打ちを入れるようになりました。その後、関東大震災や第2次世界大戦のときに、目打ちの無い切手が発行されたことがあります。これはあくまで緊急時の措置でしたが、最近では目打ちのないシール式の切手も発行されています。 |
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2−3.切手の用語 |
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FDC/実逓郵便/ヘゲ/ヒンジ/シミ/色漏れ/珍品の切手/Permanent切手/////// |
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(1)FDC |
FDC(First day cover、初日印カバー)のページです。FDCとは,各国郵政若しくは収集家作成のオリジナル封筒に記念切手を貼り、発行日の記念印を押した記念カバーです。新しく発行された切手を、宛名を書いた封筒に貼り、その新切手発行当日に郵便局に差し出せば、発行当日の消印が押されて配達される。これは、実際に郵便物として送られたので、初日カバーの中でも「初日実逓カバー」と称されます。 |
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(2)実逓郵便 |
実際に使用された郵便(切手、封筒、印など) |
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(3)ヘゲ |
切手裏面のノリや紙のはがれなどを言う。 |
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(4)ヒンジ |
切手アルバムと呼ぶ加除式のノート(アルバムリーフ)に整理する際に使用する、乾燥糊が引かれた小さな紙片。 |
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(5)シミ |
切手の保管状態で発生するシミ。切手の価値は大幅に下がります。 |
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(6)色漏れ |
切手の印刷の段階で発生するインキの印刷漏れ |
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ex.タイ切手の色漏れです。 |
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(7)珍品の切手 |
ある国ではインフレの時にお金の裏側に切手を印刷し使ったとの話も聞いてます。 |
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ジブチの木版画の切手 |
グレナダのミス・ワールド(シルク切手) |
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実際には木の切手です。クリックで拡大。 |
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スイス・2004年 木製切手 |
■ミス・ワールド(Miss World)は1951年にイギリス・ロンドンで第1回大会が行われて以来、毎年開催されている世界を代表するミス・コンテスト。1951年、ビンゴ・ホールの経営者であったエリック・モーリーが「Festival Bikini Contest」という名のイベントを企画した。これは、そのころ広まりつつあったビキニを着た女性の美人コンテストでありイギリスのみならず各国から参加者を集めたもので、スウェーデンから来た女性が優勝した。このイベントを新聞などが好奇心たっぷりに「ミス・ワールド」の名で報じたのが、この名の誕生の由来である。1980年代には「目的のある美」をスローガンとして単なる美人コンテストからの脱却を図ろうとし、美貌のほかに知性や個性も選考基準に加えるように基準を改めた。 |
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(8)Permanent切手 |
郵便料金改正に対応できる無額面切手をPermanent切手と読んでいます。料金引き上げ後は古い額面の切手に追加で切手を貼ることを避けた処置だそうです。カナダのほかにも、英国、フィンランド、ベルギー、フランス、ノルウェー、モナコ、スウェーデンがすでに無額面切手を発行している。 |
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(9)スタンプシール |
スタンプシールは切手を模したシールです。切手ではありませんので国内・海外を問わず郵便には使用できません。グリーティング・カードのデコレーションなどに、額に入れてお部屋のインテリアに。 |
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切手はおもしろい(珍品切手・逸品切手) |
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